ArduPilot Roverパーフェクト組み立てガイド

市販のラジコンをベースにしたオープンソースドローン制御ソフトウェアArduPilotを利用してローバーを製作のを組み立て、機体チューニング、きれいに自動ミッション走行ができるまでの過程をまとめます。これからArduPilotを始める方の参考になれば嬉しいです。なるべく多くの人に作ってもらうために値段が高い送受信機(プロポ)操作ではなく、スマホで操作するような構成でまとめています。送受信機がある方は付けて構いません。

1. 事前準備

フライトコントローラーはArduPilotがサポートしているものであれば何でもいいです。この記事では私が愛用しているPixracerを使います。よくわからないという方は下のリンク先はキットになっていますので参考にしてみてください。Pixracer以外だと今回のラジコンには大きいので荷台に載せるようにした方がいいと思います。

この機体よりもっといいものがあればそれを迷わず買ってください。違う機体をベースにしても作業工程などは参考になると思います。私がこの機体にした理由は、iPad Pro 11インチとほぼ面積同じでコンパクトかつリポバッテリー標準搭載だったからです。サーボも流用するつもりがまさかの5本線だったので取り除きました。商品画像など事前のリサーチでは見えなかった部分で少し悔しいです。

↓アマゾンのリンクを置いたのでほしい方はすぐに買うことができます。

この記事内の商品リンクは基本Amazonの商品ページになっていますが、Amazonに適切な商品がない場合はそれ以外の場合があります。

GPSのリンク先はAliExpress、Wi-Fiテレメトリーは秋月電子です。

2. 組み立て

必要な材料

導線同士が接触してショートしないように被膜するために必要です。いろんな太さがセットになっていておすすめです。

今回は2セルのリポバッテリーなのでXT60よりコンパクトものに替えます。

LED結線用です。1本を半分にカットして2本として使います。LEDを常時点灯する場合のみ必要です。

100均に売っている100mm程度で良いです。

  • 絶縁テーブ

必要な工具

普段電子工作しない方で手持ちになければ、こういうキットを買っちゃった方が楽でいいかもしれません。↓はアマゾンの商品です。

はんだ付けによほどなれている方でない限りは両手が使えるように固定用のスタンドがあるとかなり便利です。あとは細かい作業がありますのでピンセットがあると楽になります。

2.1 ラジコンが不要なパーツを取り除く

【手順】

  1. カバー固定ピンを取り、カバーを外します。

  2. 赤色のESCに刺さっているコネクター類をすべて外します。

  3. 赤色のESCは粘着テープで固定されているので剥がします。

  4. 電源ボタンは固定されているのでネジを取り外します。

  5. 赤色のESCを完全に外し、T字コネクターがついてるケーブルをESC側の根本でカットします。

  6. バッテリ側にあるサーボは3箇所のネジを外し、ステアリングとサーボホーン接続用のネジも外します。

  7. ESCとサーボを取り除いた状態が右側の写真(LEDのカバーは外す必要はない)です。

※取り除いたパーツ(左: サーボ、右: ESC兼受信機)

2.2 カー用ESCをつける

左の写真はパワーモジュールをつける前のものです。下の手順はT型コネクターに直接付けていますが2.3のパワーモジュールを付けてください。

【手順】

  1. ESCの各角にある線(私の使ったESCの場合、赤、黒、青、黄の太い線)を適当な長さまでカットします。私は2cm程度残してカットしました。

  2. それぞれ正しい接続にはんだ付けします。

赤色→パワーモジュールのメス側+極

黒色→パワーモジュールのメス側ー極
青色→モーターの黒色(負極)
黄色→モーターの赤色(正極)

  1. T字コネクターと信号線、ESCスイッチケーブルを写真のようにフレームの中を通してバッテリー側に出します。しっかりと線を引っ張らないとステアリングに干渉します。

  2. 位置が定まったらグルーガンでESCをフレームに固定します。フレームが平らではないのでしっかりめにグルーをつけてあげます。


2.3 パワーモジュールをつける

今回使っているパワーモジュールは右のようなタイプです。XT60のコネクターは小型ローバーにはやや大きいのでXT30コネクターに加工します。右の見本はPixracerに直接させないコネクターです。Pixracerの接続端子はJST-GHタイプでないとダメです。この画像はサンプルです。購入時はご注意ください。

パワーモジュールはバッテリーの電力をESCを経由してモーターを駆動するとともに、フライトコントローラーへの動作電源として分岐してくれます。それぞれ必要な電圧が異なりますのでパワーモジュール使いましょう。

【手順】

  1. パワーモジュールからXT60メスコネクターがある太い導線を外します。かなり加熱しないと外れにくいです。コテは340度くらいにしておいた方がいいかもしれないです。段々と加熱するようにしましょう。

  2. ESCの赤と黒の線を外したところに付けます。極を間違えないように気をつけます。

  3. XT60オスコネクターがある太い導線を外します。

  4. XT30コネクターをある程度の太さの動線でつなげます。

  5. 最後にパワーモジュール全体を熱収縮チューブで皮膜します。


合わせてリポバッテリーのT型コネクターもXT30コネクターに付け替えます。

【手順】

  1. リポバッテリー+極の熱チューブカバーを剥がしハンダを溶かしてコネクターから取ります。

  2. むき出しになった導線に絶縁テーブを貼っておきます。

  3. 同様にー極も取って絶縁テーブを貼っておきます。

  4. XT30コネクターのオス・メスを挿してものを用意します。

  5. XT30コネクターメス側の+極に先に予備ハンダを載せておきます。

  6. バッテリー+極の絶縁テーブを外して熱収縮チューブを通してからコテでハンダが溶けるくらい予熱しておきます。※熱収縮チューブが縮まないように気をつけてください。

  7. 動線をコネクター金具に押し当てるようにコテで押してハンダします。

  8. ー極も同様に接続します。

  9. 最後に熱収縮チューブをヒートガンで締めます。


XT30コネクター入れ替え後

2.4 サーボをつける

【手順】

    1. サーボをニュートラルにした状態にします。面倒ですが必須です!受信機を使うのもいいですが今回あるものだけでやる手順をにします。基本セットアップの手順も一部入るので経験ない方はそちらも合わせて参考にしてください。

      1. ファームウェア書き込みます。

      2. パラメーター設定画面で次のパラメータを設定して書き込みます。ここで書き込んだパラメーターは取り付けが終わったら必ず元に戻してください。

ARMING_CHECK: 0

BRD_SAFETYENABLE: 0

      1. サーボケーブルをFCのESCポート1、ESCをESCポート3に信号線が上になるように、黒または茶色が下になるように挿します。(右側写真(上)参照)

      2. バッテリーを接続します。

      3. ESCのスイッチをオンにします。音が鳴り、サーボが固定されている状態になっているのを確認してください。

      4. この状態を維持して2の作業に進んでください。

    1. サーボホーン(白くて長いやつ)が真上に90度、ステアリングとの接続部分も90度になるようにネジ締めする必要があります。数度程度であればあとからパラメータでトリム調整が効きますがあまりずれるとうまく制御できない可能性があります。

    2. サーボを取り付けたらいろんな角度からみてしっかり90度になっているか確認します。

    3. サーボ取り付けが完了したら、その状態で「3.x モーターテスト」をしてみてください。正しい方向にタイヤが回らない、もしくはハンドルが切れない場合は結線が間違っているので再確認してください。

    4. 正常に動作することが確認できたら、上の手順1.2で設定したARMING_CHECKとBRD_SAFETYENABLEを元に戻してください。


※ESCポートは写真の左側から1〜6です。

※サーボホーン固定ネジにはバネが付いています。飛んで紛失しないよう気をつけてください。

※強く締めすぎるとニュートラルが崩れてしまうので力を加減してください。

2.5 Wi-Fiテレメトリーをつける

スマホで機体の制御をWi-Fi経由でするために必要なモジュールです。通信方式はBluetoothタイプのモジュールでもいいです。Bluetoothタイプにしたいという方向けに別の記事紹介しようと考えていますのでお楽しみにしてください。

ここではいろんな端末と通信しやすいという理由でWi-Fiタイプのテレメトリーを付けます。

フライトコントローラーのTELEM1ポートにモジュールを接続します。UART接続で下記のようにハンダで接続します。余っている線は邪魔なので安全ピンなどでコネクターの爪を持ち上げて抜いておきましょう。

[フライトコントローラーTELEMポート]→[Wi-Fiモジュール]

赤色→3.3v

黒色→GND

黄色→RX

緑色→TX

パラメータ設定が必要です。詳細は次の基本セットアップをご覧ください。


2.6 ブザーとセーフティスイッチをつける

機体の状態やセーフティロックができるようになるので接続することをおすすめします。Pixracerに付属されているのが一般的なのでそれをフライトコントローラーのBUZZER/SAFETYポートに挿すだけで完了です。

次項のLEDをつなげる場合は、このセーフティスイッチを機体に固定する前にハンダ接続を完了させてください。接続するピンは使用するセーフティスイッチの種類によって異なります。

2.7 LEDをつなげる(任意)

必須ではないですが、せっかくなのでフレームに付いてるLEDライトも活かしたいですね。活用の仕方は2通りあります。

1)常時点灯

元あったコネクタを切ってジャンパー線を付けます。ジャンパー線は左の写真のようにピンを挿しておきます。赤色側は3.3v、黒色側はGNDです。正しく接続するときれいにLEDが光ってちょっとカッコいいです。

2)セーフティスイッチLEDと連動

前項でも触れましたが使用しているセーフティスイッチの種類によって接続するピンが異なります。

【赤いボタンで一体型タイプ※前項上の写真】

LED赤色オレンジ色ピン

LED黒色→黄色ピン

【分離タイプ※前項下の写真】

LED赤色→スイッチの赤色ピン

LED黒色→スイッチの黒色ピン

スイッチは裏のネジを取ればピンにハンダ付けできます。

プラスとマイナスにLEDのプラスとマイナスを接続します。Disarmed状態では点滅し、Armed状態で点灯するので機体の状態が外からわかりやすくなります。


2.8 GPSをつける

コンパスが入っているGPSモジュールを使います。こういうモジュールは矢印が刻印されているので、右の写真のように矢印が機体の前方を向くように取り付けます。これはフライトコントローラー内部にあるコンパスを使わずにGPSに入っているコンパス(外部コンパス)を使うためです。

【手順】

  1. 機体カバーの後ろ窓の部分に四角い穴を空けます。

  2. GPSモジュールを矢印を機体前方に合わせて付属の両面テープで固定します。

  3. 線を電線に触れないようにフライトコントローラーに接続します。

カバーは硬いのでカッターで空ける時に怪我に気をつけてください。もしドリルを持っているようであれば先にドリルで下穴を空けるといいです。

GPSモジュールを選ぶ際は余分に長さがあるようにします。メンテナンスなどでカバーを空けたりしやすいようにするためです。


2.9 受信機をつける(この記事では必須ではない)

この記事はスマホから操縦することを目標にしているので必須ではないのですが、一般的にあった方がいろいろと便利なので接続ステップとして追記します。

ArduPilotはSBUS接続で3本しか線を使わないです。接続もシンプルです。Pixracer以外のフライトコントローラーもだいたいRCINが印字されているのでわかりやすいと思います。信号線(印字はS)がどれなのかをしっかり確認すれば間違いないと思います。

【手順】

  1. RCINポート用の5本線コネクターの信号線、5V、GNDの3本を受信機に接続します。使わない2本はコネクターから外してしまった方がいいと思います。写真はそのままにしていますが。

  2. コネクターはRCINポートに挿します。使うピンは両端(5V, GND)と5Vの隣の信号線のみです。 

2.10 組み立て完了

接続に間違いがないことを確認して結束バンドなどで余ったケーブル部分をきれいに束ねて、装飾シールを貼ったら機体組み立て完了です。きれいな定義は人それぞれなのでご自身で納得すれば良いと思います。さて、いよいよ次は基本的なセットアップに入ります!

修正履歴

  • 2021.04.05 初版、カー用ESCに補足説明追加

  • 2021.04.08 「受信機をつける」を追加