ArduPilotを使ううえでは欠かせないMission Plannerですが、オープンソースで公開されています。今回は公式WikiをベースにビルドしてMission Plannerが起動するところまでまとめていきたいと思います。公式Wikiは英語で書かれているので日本語の情報として発信して、日本語の検索ワードでヒットするようなページにできればと思っています。公式Wikiを翻訳表示すればいいだけなんですが^^;
環境確認
少し前にWindows用のミニPCを自作しました。そのPCでの環境構築の備忘録ですね。リンク切れがないように更新していきたいのであった場合はコメントください。
- Windows 10 Pro(PCスペックはこちらの記事で確認できます。)
- Visual Studio Community 2019
- Git for Windows
手順
始める前に手順の全体を確認しておきます。
- Visual Studio Community 2019をインストール
- ほぼC#で書かれておりVisual Studioを開発環境として推奨しています。個人はCommunity版を使うとよいと思います。
- Git for Windowsをインストール
- GitHubからソースコードをダウンロードするだけならGitはわざわざいらないですが、サブモジュールのダウンロードも必要なのでGitが使えた方が便利です。Gitが使えればツールは何でもいいです。
- Mission Plannerソースコードダウンロード
- Gitを使ってソースコードをすべてダウンロードします。今回は本家からダウンロードしますが、プロジェクトに貢献したい方は自分のGitHubアカウントにforkしてからダウンロードするのをおすすめします。
- デバッグビルド
- 今回は試しにビルドしてみたらものすごく時間がかかりました。初回だけかと思ったのですが毎回です。とてもストレスフルなので原因調査してまた別記事でまとめたいです。なにか情報があればぜひ教えてもらえると助かります。
1. Visual Studio Community 2019インストール
このURLからダウンロードできます。
https://visualstudio.microsoft.com/ja/vs/community/
ダウンロードできるのはインストーラーアプリなのでサイズは小さくダウンロードすぐ終わると思います。インストーラーをまずインストールすると、ワークロード選択画面が表示され、この5つを選んでインストールしてください。26G程度のディスク容量が必要なので注意してください。
【選択するワークロード】
- .NETデスクトップ開発
- ASP.NETとウェブ開発
- ユニバーサルWindowsプラットフォーム開発
- .NETによるモバイル開発
- .NET Core クロスプラットフォームの開発
その間に、2と3のGitのインストールとソースコードダウンロードを並行して進めるといい感じです。
2. Git for Windowsインストール
このURLからダウンロードできます。
Visual Studioのインストールと並行して実行することができます。基本的にデフォルトの選択肢にしていますが、2箇所だけ変更しています。特に改行コードに関するオプションに気をつける以外はデフォルトで大丈夫かと思います。
- Gitで使用するデフォルトエディタ(これは好みです)
- 改行コードの変換(必須)
改行コードの自動変換だけは変更しておく必要があります。
私はVisual Studio Codeをよく使うので今回はこの選択にしています。好みなので木にすることはないです。

改行コードは変換されないように絶対にこの選択にしておいた方がいいです。

4. Mission Plannerソースコードダウンロード
Git for Windowsのインストールが完了したら、Git Bashを起動します。黒い端末が起動してコマンドを実行していきます。実行するコマンドは4行です。表示はこんな感じです。

まず、ソースコードをダウンロードするフォルダを作成して起きます。私はデスクトップにGitHubという名前のフォルダを作成しました。
次に、Git Bash端末上で、cd[半角スペースキ]と入力してから、今作ったフォルダーを端末上にドラッグ・アンド・ドロップします。そうすると端末では次のようなコマンドになると思います。
<br />$ cd /c/Users/[ユーザ名]/Desktop/Github<br />
エンターキーを押下するとフォルダ移動します。
次に、クローンコマンドを実行してMission Plannerソースコードをチェックアウト(いわゆるダウンロード)します。コマンドは1行です。
$ git clone https://github.com/ArduPilot/MissionPlanner.git
ダウンロードが実行されます。ダウンロードが完了したらまたコマンドを入力できる状態になるので、次のコマンドを順番に実行します。
$ cd MissionPlanner $ git submodule update --init --recursive
これでMission Plannerビルドに必要なサブモジュールを追加でダウンロードします。これも結構時間がかかりますので待ちます。
コマンドはスペルミスなどをして失敗している場合は、なにかエラーメッセージが表示されている場合は再度正しいコマンドで実行しなおしてください。エラーのまま進むとうまくいきません。
5. デバッグビルド
Visual Studioのインストールが完了し、Mission Plannerソースコードが完了していることが前提です。
Visual Studio Community 2019を起動すると、画像のように選択画面ができてきます。「プロジェクトやソリューションを開く」でダウンロードしたMission Plannerのソースコード内にある「MissionPlanner.sln」というファイルを選択して開きます。


完全にプロジェクトの読み込みが完了したら、デバッグ実行ボタンを押すだけです。すごく時間がかかるので気楽に待ちます。デバッグ版が起動する様子は動画で確認した方がわかりやすいのでみてみてください。

修正履歴
2021.03.20 初版